
メタリカの3D映画が公開になったということでどんなものに仕上がっているのか観に行かねば、と新木場109シネマズにやってきた。IMAX 3Dプロジェクターという、卓抜した明るさと明瞭さのある3D画像やデジタルリマスターしたサウンドシステムを備えたシアターだそうだ。一切割引がきかないのでちょっと失敗したかと思ったのだが映画を観た後にそんな思いはふっとんでいた。
ストーリーは、メタリカのローディーの青年が受けた指示、ライブ会場に向かう途中で故障したトラックに置き忘れた、メンバーにとって大切なある荷物を取ってくるというものだ。ただこの映画ほとんどがメタリカのライブシーンで、主人公や他の登場人物の台詞もとても少ない。指示を受けてから戻ってくるまでの間、いろんなことに巻き込まれるがそれが何でどうしてといったことに対する説明は一切ないのだ。
それも今回の映画を作る上でのコンセプトなのかもしれない。見ている人にあれは何だ? あの中に入っているものは? と気にさせたり、別の世界に入り込んでしまったのかとか、いろんなことを考えさせたかったのかもしれない。Power Rock Todayで映画を観たリスナーの話が紹介されていたが、みんな映画を観た後同じ疑問を抱いていた。
ほぼ壁一面がスクリーンになっていて(全ての席から見やすいように曲線状のスクリーンを使用している)、音もクリアで迫力があった。映像の綺麗さは驚くほどだった。これまで3D映画をみるとスクリーンに対して小さく見えたりして奥行きや立体感はあるけど、迫力に欠けることがあったが、こんなに迫力がある映像を観られるなんて割引がどうのこうの言ってた自分が恥ずかしいくらいだ。
過去メタリカのライブは3回見ているが、サマソニ(マリンスタジアム)2回、さいたまスーパーアリーナ1回、全てスタンドからだった。360度あらゆる角度から撮影されて、こんな近くでメタリカのライブを観れるだけで嬉しくなった。隣の人もそうだが、手や足が自然とリズムをとってしまう。何度拳やメロイックサインを突き上げようとしたことか。一度でいいからこの距離で彼らのライブを観てみたい。
個人的には"Fuel"、"One"、"Master Of Puppets"、"Nothing Else Matters"、"Enter Sandman"、"Orion"がとにかくかっこいいと思った。ジェームスはもちろんだが、ロバート・トゥルージロが丸太のように太い腕で弾くベースが印象に残った。この映画の為の特別なライブだったらしいが、この会場に一緒に居ると感じさせてくれる映画だった。映画ではなく、ライブメインのミュージッククリップのようなものだ。とにかくかっこよかった。映画館でメタリカのTシャツも販売していた。セットリストは以下の通り。
1. The Ecstasy Of Gold
2. Creeping Death
3. For Whom The Bell Tolls
4. Fuel
5. Ride The Lightning
6. One
7. The Memory Remains
8. Wherever I May Roam
9. Cyanide
10. …And JusticeFor All
11. Master Of Puppets
12. Battery
13. Nothing Else Matters
14. Enter Sandman
15. Hit The Lights
16. Orion